▲「富士塚」だけで日記が書けます♪▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
ピシピシ。パラパラ。ツンツン。ピシピシ。パラパラ。ツンツン。



島穴富士の頂上にあったツブツブは小石だったけど、青柳富士のツブツブは、むかごでした。
あたり一面、むかごだらけ。



自然に囲まれた聖地に入ると、頭上から葉っぱや木の実が落ちてくることがある。それはただの自然現象ではない。ある種の「存在」が、意志を持ってサインを送ってくるのです。フシギだけど、これはよくある。本当によく起こる。

そのタイミングは、私のセンサーが始動すると顕著になる。つまり、こちらが気づくと始まるという感じ。風の吹き方もそれに近い。雲の姿もそれと同様。気づくとさらに見えてくる(いや、見せてくるが正しい)……これは聖地を訪れる時には大事なこと。

自分は単なる訪問者であり、媒体にすぎない。だからこそ、五感を働かせて受けとめる。でなければ、聖地は何も教えてくれないのだ。
むかごシャワーを浴びながら、もっとリアルに姿を見せてほしいと思いました。



しばらくしたら、西日が強く射し込んで来ました。

森の中?山の奥?
いいえ、ここは海の近く。



頂上の倒れた石碑が下から見えた。



浅間大神もしくは浅間神社と彫られてあるようです。



富士塚を後にし、裏の工場からながめてみました。立派な大木に守られている塚でした。手前の鳥小屋には鶏がコッコッコッ♪



バス停に戻る。所持金600円の出先では、Suica使えるのが助かった。つい最近まで使えなかったのですよ。小湊バス。



国際線かもしれない。成田は近いのです。
頂上に到達すると、塚の後ろから激しく犬に吠えられました。



富士塚の隣は小さな工場。日曜日なので無人です。私に気づいた豆柴君、番犬に豹変し威嚇し始めました。
「まあまあ。私はあやしい者ではありません(充分あやしいですが)。このお富士さんに御用があって参りました。ちょっとここにいさせてくださいね」
数メートル上からなだめすかしたら、おとなしくなりました。

富士塚背後は絶壁です。後ろの工場敷地との境界でもあります。



遠くからでもよく見えた石塔は、御神塔ではなく常夜塔でした。富士講が奉納したらしく、「三國第一山」「青柳村講中」と刻まれている。かなり大きい塔です。頂上に運ぶのは大変だったろうなと思います。

考えてみたら、ここに限らず、重い石造物や社などをクリーンもなしに高いところに運ぶなんて……よくぞやったものです。



頂上に奥宮はないのか?と思ったら、前のめりに倒れている石碑がありました。裏面の文字がよく読めます。明治13年4月築ということは、島穴富士と同年同月です。講名はわかりませんが、おそらくこの辺一帯でかつて行き来があったものと思われます。

頂上の直径は約3m。広くもないけど狭くもない。儀式は充分できたでしょう。



登山道脇の斜面には、九合目から1合目まで、すべての合目石が立て掛けられていました。石碑の多さは講の豊かさをあらわします。もしくは、身内に石工がいたのかもしれない。石の調達や加工は、さぞ資金が要ったことでしょう。

それにしても、頭上からピシピシと音がする。何かが降って来る!

つづく。。。
鳥居の注連縄から「〆の子」が長く垂れている。独特な雰囲気です。



8段の石段を登るとすぐに登山道。



道は、まず平坦に塚の前面に沿って続いている。おびただしい数の石碑が建っていました。そのほとんどが、先達たちの名前。行名がついているのは古い証拠ですね。



つきあたりに小さな祠。これが浅間神社でしょう。島穴神社のように、とても立派な神社の中にある富士塚も多いけれど、こうして富士塚そのものが神社というシンプルさもいいです。



お社の前から直角に登り道が始まり、仰ぎ見ると大きめの石塔が建っていました。



かなりボク石が使われています。そして2,3歩登って気がついた。
あ、身禄像だ!



これはなかなか見ごたえあります。角石をくり抜いて、石室を創ってある。上部の幕の襞がいい。身禄の衣類の描写もうまい。首はおそらく一度落とされた後、修復されたようです(駒込富士や池袋富士のように首なしのままのもあります)。材質は体の部分と違いますね。切れ長の目には力がこもっていて、登拝者は身禄と視線が合うのに気づくはず。

もうひとつ、他では見られない特徴がありました。



手の形です。たいてい拝んでいるので合掌していますが、この身禄様は手の平を上に向け、すくうような仕草をしています。何か手に乗せていたのかもしれません。

石室の側面。

すぐ傍には、烏帽子磐。

要所要所に竹が建てられています。必ず2本組になっていて、間に注連縄がかかっています。つまり、鳥居と同じことですね。笹を2本使うのは、品川富士と大泉富士で見られますし、山の中で2本の木の間に注連縄が張ってあるのを見たこともあります。原初的でぐっときます。



ちなみに、昔購入した古書「鳥居考」の中には、鳥居の起源の諸説としてこんなページがありました。

つづく。。。
島穴神社の次に目指したのは、青柳の浅間神社。



右下の黄色いところから、左上の黄色いところです。
当初、地図上のピンクの点線を行く予定でした。島穴神社から橋を渡ってすぐに、川沿いを行けばそのままたどりつけたはず。

ところが、参道を歩き大鳥居をくぐったら、別の道を通りたくなりました。(私はつい新しい道を歩くクセがあります)

まあ、少し南下してもまた西北を向くルートはあるだろうとタカをくくっていました。。。が、これがハズレた。近辺の地図を持っていなかったこともあり、軌道修正は容易ではなかった。そして実際、西北への道がなかったのでした。太陽の方角を見て、自分が西へ向かっていたのはわかったけど、まさか西南だったとは!歩いたのが青い点線。向きは90度ズレていたのですねぇ。



それはそうと、散歩は快適。田んぼはしばらく続いていました。



畑の脇も気持ちイイ!
なんとかなるさ。日は高い。と、私はふたつめのおにぎりをかじりました。

炎天下で徘徊する時の大事な3つは、「水分」「塩分」「糖分」。(体力の自信はいうまでもありません。ハードな日程の前日にはたっぷり食事をしておくのも大事です)

この時「水分」はペットボトルの水が、「塩分」は梅干しと昆布の佃煮があって◎。
あれ?糖分がない!黒糖のカケラを忘れた。

と思ったら、ジーンズのポケットから飴が出てきた♪ 先月人穴と胎内へ出かけた際に、御師の奥さんからいただいたものでした! 洗ったばかりのジーンズだったので、飴ごと洗濯したと気づきました。でも飴の袋は破れもせず、有り難い糖分補給となりました。ラッキーです♪



で、いきなり車道の画像は、青柳の浅間神社近く。青柳橋のたもとです。
いつの間にか、上の地図からもはみ出すほど南下してしまった私は、心優しい地元の方に、車で送っていただいたのでした。

実は、住宅街にさしかかり、ちょうど家の中から出て来た人に道を尋ねたところ、
「そこならこれから車で通りますよ。乗ってらっしゃい」
運良くその人は、青柳を通って買い物に出かけようとしていたのです。何とラッキーな! 有り難い♪

地図のオレンジ点線が車がたどったルートです。

車中、その人は「古いものに興味があるんですか? 珍しいですね。でも、行きたいところに全部行けるといいですね」と言いながら、旧道や農道を歩く時のコツを教えてくださいました。

それにしても、ポケットから出てきた飴といい、車で送ってくれた人といい、助けられているなあ。私。



もう大丈夫。今度はバスがある♪ 1時間近く滞在し、15:13のバスで五井駅へ戻ろう。



浅間神社の入口は工場と人家の間にありました。



奥には、すご〜い富士塚が待っていました。

つづく。。。


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関東各地に造られた「人造富
士山」のこと▲です。富士山
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地元に▲▲▲▲▲▲▲ミニチ
ュア▲▲▲▲▲▲▲▲▲の富
士山が出来たことで、多くの
人が登山でき、大流行しまし
た。民衆のパワーですね♪♪
富士山の溶岩をのせ、一合目
から頂上まで登れるようにな
っています。意外なところに
ひっそりたたずんでますよ。
…………………………………

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美しい作品も好きだけど、コ
ンセプトありきで表現するこ
とに喜びを感じるビジュツ家。
表現形態はこだわりません。
現在、富士塚のコンセプトに
インスパイアされ、色々な媒
体で表現。著書の【ご近所富
士山の謎】【富士塚ゆる散歩】
も、私にとっては作品です。
なぜ富士塚か……それは、海
外生活での体験から。詳しく
は本のあとがきに記してあり
ます。

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