▲「富士塚」だけで日記が書けます♪▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
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ひとつ前の記事の中から、「富士権現旧地」(富士権現は、駒込富士神社の築山=富士塚に勧請されました。毎年行われる駒込富士のお山開きには、「下浅間」の社の中に「富士大権現」と書かれた古い扁額を見ることができます)にピンクの印をつけた画像に、



赤い印をつけました(左上)。

「心字池」は現在の三四郎池です。よく見ると、その東北の岸に「氷室」の文字が見えます。氷室はふたつあります。

なんでこんなところに氷室があるのか。

氷室とは、その名のとおり、氷を貯蔵するところです。冷蔵庫のなかった昔には、冬期にできた天然氷を保存する場所でした。カタチは、小屋だったり洞窟だったりしました。

さて、ここでちょっとトリビア♪

かつて、金沢の加賀藩から江戸の将軍家に「雪を献上」するならわしがありました。石川県の白山の雪(冬期、氷室に詰め込んでいたもの)を江戸に納めるものでした。5日間かけ、金沢から江戸まで運んだそうです。

後に、(雪が転じて)氷を献上するようになりましたが、金沢から運ばれた氷を、いったん本郷の氷室に貯蔵し、六月朔日(ついたち)に合わせて江戸城に納めるようになったそうです。

それを「氷室ご祝儀の氷(雪塊)献上」と言い、加賀藩では庶民の間にも「氷室の節句」が定着しました。(現在の金沢でも風習が残っているそうです)

そして江戸の町でも、六月朔日に行われるその風習を「賜氷節」と呼び、年中行事として広く知られるようになりました。民間では「氷の朔日」と呼んで親しみました。

夏期、氷を手にすることのできなかった庶民は、六月朔日、寒水で作ったという餅(氷室まんじゅう)を氷に見立てて食したそうです。(氷室まんじゅうは今でも、金沢市内や東京本郷の和菓子屋さんでも売られています)

話がややこしくなってきましたが、要するにこういうことだと思います。加賀藩の「氷献上」の風習が江戸の町でも知られ、本郷富士(加賀藩屋敷内にあった富士山)が駒込に移された時、「氷の朔日」が「富士山のお山開き」と同じ六月朔日であることから、江戸における「六月朔日=富士詣で」になったのではないかと。

行事に関しては偶然なのか故意なのかはわかりませんが、いずれにしろ、六月朔日は季節の変わり目、つまり「夏のはじまり」であるわけですから、風物詩としての複数の行事が同じ日だったとしても不思議はありません。

ちなみに、江戸の加賀藩邸に運びこまれていた「氷室ご祝儀の氷(雪塊)献上」は、金沢からのほかに、富士山の氷穴内で採取した氷塊を利用したというの記録もあるそうです。

「六月朔日には富士の大宮より一里奥、宮山と申すところより氷を献上いたし候、五月晦日の夜より山をかつぎ出し申し候、三尺四寸ばかりに切り候氷、駿河の御城へ朔日に上り申し候刻は、六七寸四方ばかりに成り申し候よしに候、江戸へ献上の氷は(御城へ)上り申し候刻、二寸四方ばかり成り申し候よしに候」

幾重にもつながる「加賀藩」「白山の雪(氷)」「氷の朔日」「本郷の氷室」「富士の氷」「駒込富士」「富士詣で」の関連は面白いですね。

このへんは、図式化してあらたに本の中で紹介したいと思っています。

いずれにしろ、夏は富士のお山開き。そして氷。
無類のかき氷マニアは、富士山と御縁があるのかもしれませんよ〜♪

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富士山の溶岩をのせ、一合目
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表現形態はこだわりません。
現在、富士塚のコンセプトに
インスパイアされ、色々な媒
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士山の謎】【富士塚ゆる散歩】
も、私にとっては作品です。
なぜ富士塚か……それは、海
外生活での体験から。詳しく
は本のあとがきに記してあり
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