▲「富士塚」だけで日記が書けます♪▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
富士塚を下りた行者12人衆は、氷川神社の参道を歩き、 境内に設置された浅間神社の仮宮にて もう一度拝みをします。昨年までは、全員正座をしていたとのこと。膝の痛みを訴える行者が増えたからだそうです。 先達が、お焚き上げのための種火を用意しました。いよいよです。 玉串の向こう側に置かれているのは、竹の箸。60cmほどの長さです。これでお札を挟んで、お焚き上げの火中に放つのです。 焚き上げていただく祈願札は、誰でも納めることができます。 私も願いをこめ、1枚書いてもらいました。 「行者が名前と願い事を読み上げるからね」 「ちょっと恥ずかしいな〜(笑)」 中央の松明に点火すると、乾いた杉の葉はメラメラと火を這わせあっという間に燃え上がりました。 「御願い上げ頼み奉る〜」 まず先達が、ヤマキチ講のお札を竹箸で挟み、読み上げてから火に投じます。 燃えたお札は、火の玉となって上空に舞い上がります。 先達につづき、全員がそれぞれ手に持つお札を焚き上げます。 「おんねがいあげ たのみたてまつる〜。ナニガシダレソレ〜」「おんねがいあげ たのみたてまつる〜。ナニガシダレソレ〜」「おんねがいあげ たのみたてまつる〜。ナニガシダレソレ〜」「おんねがいあげ たのみたてまつる〜。ナニガシダレソレ〜」「おんねがいあげ たのみたてまつる〜。ナニガシダレソレ〜」「おんねがいあげ たのみたてまつる〜。ナニガシダレソレ〜」 燃えた祈願札が高く昇れば昇るほど、願いが叶うと言われます。行者は心をこめ、力いっぱいお札の願主と願い事を読み上げます。 盛り塩は、火力を調整するためのもの。火に投げると少し弱まります。 それにしても、壮絶な火の力。容赦しませんというくらい、火はすべてを焼きつくす。見る者の、心の中の迷いすらも。 滝のような汗を流しながら、12名の行者は力強く願いを言霊に変えてゆく。その声は鈴の音と混じり、すごいパワーを生む。圧巻でした。お寺で護摩焚きを見たことがありますが、その時の何万倍もの感動を受けました。 顔を焼かれ、胸中の暗闇を焼かれ、気づくと私は放心状態になっていました。目から汗も出ていました。 全ての願いを焚き上げて、行者は火のまわりを一周し退場します。 戻って来られた行者のMさんが、 「ほら、こんなに熱くなってる!」 鈴(レイ)を私の手に触れさせてくれました。ずしりと分厚い金剛鈴は、熱と一緒に念を吸ったかのよう。 とにかく金属類はハンパでない熱伝導。同行のカメラマンさんも、カメラが熱くなっちゃって大変だったようです。(そちらの写真は次の本にて♪) 「それからこのお箸!!」 竹箸は、高熱によって彎曲していました。無理はありません。お札を燃やすため、箸ごと火の中に入れるのですから。 お疲れさまでした。離れていてもすごい熱でしたから、火の中に飛びこむほどの位置で読み上げをしていた行者の皆さんは、熱の痛みを体で受けていたのでしょう。それこそ行(ぎょう)として。 それにしても、見事にすべての祈願札を焚き上げられましたね。皆、天に向かって願いが届いたことでしょう。 「お札を書いた人は、自分の札が高く昇ったかどうかとても気にします。ですから、われわれも真剣になるのです」 35年間、このお焚き上げを司ってこられたS先達は、明治18年からつづくこの行事について、いろいろと語ってくれました。ありがとうございました。 人々が去り、静けさが戻った富士塚。 私の感動は、なかなかおさまりませんでしたけど。
行者は総勢12名。
通常、14〜15名が揃うのですが、今年はふたりの方がブク(忌服)といって身内に御不幸があって不参加でした。 まず、彼らが向かったのは手水舎。 全員が順番にお浄めした後、 富士塚に登拝します。 小さい塚なのに、まるで山道に見えるのはなぜでしょうか。 まだ明るいうち、風が強くて木々にかかっていた幟は、 きれいに降ろされて、闇の中で光を浴びていました。 行者たちは、狭い頂上の奥宮に向かって場をとる。 先達を先頭に、しゃがみ込むと 拝みが始まりました。 幻想的な時間です。 全員で読むお伝えは、高き山の頂きから流れ聞こえるものと変わりない。 お焚き上げをするためにすること。 禊をし、富士塚に神を降ろし、その神気を体に蓄える。 私はそう感じました。 つづく。。。
なごり惜しかったのですが、「火の花祭り」の始まる前に中里を後にしました。
9月1日は、知っているだけでも4か所の富士塚で火祭りがあるのです。 残り3つのうち、今回向かったのは川越の雀ノ森氷川神社。 「えっ? ダメですかい?」 手についた土を、舐めようとした子供に注意したらこの表情。思わず吹きました♪ 傍にはお焚き上げの松明があります。 木片を積み上げた松明の上には、着火用の杉の葉と細木の束。それに御幣。 広瀬富士のお焚き上げのように、松明を中心に神域が作られていました。 境内の東北に位置する富士塚の頂上から見たところです。 富士塚はとてもシンプル。登るというより、儀式のための構造のよう。 とはいえ、斜面には古い石碑の数々。 大日如来 小御嶽神 参明藤開山+書行+食行 松明の近くに浅間神社の仮宮も設えて。 お囃子も盛り上がってまいりました。新宿と書いて「あらじゅく」と読みます。 富士塚のある地域には、お山開きといい火祭り(お山仕舞い)といい、お囃子連が活躍します。それは、単なる町内の祭りでないことのあかし。お囃子は、神様に奉納する意味があるからです。 さて、夜の帳がおりました。 盆踊りも始まりましたね。 氷川神社も浅間神社仮宮も、闇の中で映える時刻。 冨士浅間神社の文字の裏側は、「御水講」。 渋谷の山吉(ヤマキチ)講の枝講で、砂町のオミズコウともファミリーですね。 でもここでは「おんみずこう」と呼ばれます。 お焚き上げの始まる8時にはまだちょっと時間がある。もう一度、富士塚に登ってみよう。 目の前を、数人の子供達が駆け登って行きました。 「写真、撮って。撮って〜!」 彼らは、慣れたように奥宮によじ登り、はしゃいでいました。 しょうがないなぁ。 「ここには富士山の神様がいるんでしょ?」 「うん!」 「普段は乗っていないよね?」 「うん!」 「じゃ、いっか。今日はお祭りだからね〜」 考えてみたら、彼らはこの地で「安産祈願」をもって生まれ、「初山参り」で祝福された子供たちなのです。富士山の御加護をいただいている彼らは、こうして富士山と戯れて育つのでしょう。 いい子たちでした。 別れ際、 「ありがとうございました。盛り上がりました!」 なんて、お礼を言われた時には笑ってしまいました〜♪ あ、気づくともう8時。 行者たちは出番待ちです。 つづく。。。 |
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芙蓉庵 (Yoko Arisaka)
性別:
女性
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▼▼▼【富士塚】とは▼▼▼
………………………………… 富士山に登りたくても登れな い人たちの為に、江戸時代に 関東各地に造られた「人造富 士山」のこと▲です。富士山 を信仰する▲▲▲富士講によ るもので▲▲▲▲▲したが、 地元に▲▲▲▲▲▲▲ミニチ ュア▲▲▲▲▲▲▲▲▲の富 士山が出来たことで、多くの 人が登山でき、大流行しまし た。民衆のパワーですね♪♪ 富士山の溶岩をのせ、一合目 から頂上まで登れるようにな っています。意外なところに ひっそりたたずんでますよ。 ………………………………… ▼▼▼【芙蓉庵】とは▼▼▼ ………………………………… 美しい作品も好きだけど、コ ンセプトありきで表現するこ とに喜びを感じるビジュツ家。 表現形態はこだわりません。 現在、富士塚のコンセプトに インスパイアされ、色々な媒 体で表現。著書の【ご近所富 士山の謎】【富士塚ゆる散歩】 も、私にとっては作品です。 なぜ富士塚か……それは、海 外生活での体験から。詳しく は本のあとがきに記してあり ます。 ★★★★★★★★★★★★★ お問い合わせ、ご連絡は↓ y♡k♡◆ris◆k◆.◆rtist★gm◆il.c♡m (♡をoに◆をaに★を@に変えて 入力して下さい) ★★★★★★★★★★★★★ 掲載の写真・イラスト・文章等の 無断使用・転載は御遠慮下さい ★★★★★★★★★★★★★
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