▲「富士塚」だけで日記が書けます♪▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
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千葉県市原市五井の若宮八幡神社にある「北五井富士」。
去年5月まで、五井富士と呼んでいた富士塚です。
でも、五井には他にも複数の富士塚があるので、とりあえず「北五井富士」と呼ぶことにしました

さらに本日、友人からもうひとつの富士塚情報を得て、東五井富士もあることがわかりました♪(それはまたの機会に)

さて、北五井富士にある、ひとつのナゾがようやく解明しました。
(といっても、私が知らなかっただけでしょうが)



ピンクの印のところに「主杖流」という石碑があります。
お中道のところにあるので、富士山にもそのあたりだろうと思っていましたが、これがいくら調べてもわからなかった〜。一昨年、さる研究者に尋ねても御存知なかった。



まあ、北五井富士は「ご近所富士の『謎』」に紹介しなかったし、主杖流は今のところ北五井富士にしか確認していないからと、そのまま保留にしておりました。

ところが、「富士信仰研究」の第二号をパラパラ読んでいたら、オオッというくだりがあったのです。
竹谷氏がフレデリック・スタールの著書「富士山」(1924)を引用した文中に、「抂(手ヘンに主)杖流し」が出ていたのでした。

美術家にとってスタールといえば、ド・スタールですが(笑)、富士山ではフレデリック・スタール。この米国人が、「富士山」(原題はFUJIYAMA The Sacred Mountain of Japan)の中で、富士登山した体験を記しています。

中道付近の様子には
「表面は滑らかでその幅はそれほど大きくないが、不定形に上下する。これを抂(手ヘンに主)杖流し(手杖流し)というが、それはここで杖をひとたび見失うと、果てしなく滑り落ちるので、再び手にする望みが絶たれることを意味する」

へ〜。知らなかったけど、そんなところのことだったか!

【しゅじょうながし】という言葉について、竹谷氏も解説する。
「吉田付近の手杖流しは現在の不浄流しのことであろう。スタールの中道巡りでは再度手杖流しが出てくる。当時手杖流しは固有名詞ではなかったようで、赤沢に続いて現れる手杖流しは現在の執杖流し(手条流し)のことであろう」

え〜。「主杖流し」「抂(手ヘンに主)杖流し」「不浄流し」「執杖流し」「手条流し」だって!
漢字はよく変わるとはいえ、こんなにイロイロあるなんて!

国土交通省の富士砂防事務所のURLにはこう。
「富士山 『お中道』を横切る沢名の変遷」です。
その中には、上記以外に「修杖流し」まである。これで6コだ!

富士山には、『八百八沢』といわれるほど多くの沢があるわけです。
登山にくわしくないと、わかんないわけだな、と思いました。

では、現代の地図ではどんなか。



富士登山の本は買ったことないのですが、16回の登山経験を持つ私の母からもらった「富士登山ハンドブック」の初版(1987)が家にあったので、見たところ、「執杖流し」とそのルート(剣ガ峰の下に出る登山ルートにもなってる!!!)がちゃんと出てました。

それにしても、杖を手放すとタイヘンなことになるという、その沢。どんなんかな〜と思ってググッてみたところ、こちらのサイトに画像がありました。ご覧あれ。(このルート、登ってみたい!)
確かに、この冷え固まった溶岩流。落とした杖はツルツルと滑っていきそうです〜。

とにかく、
北五井富士を造った富士講員(山水講)が、中道めぐりの偉業をたたえて「主杖流」と刻んだ碑を置いたことは明らかですね。

富士塚にある地名をもとに、富士山の地形に興味を持ったり、好奇心がふくらむことは多々あります。【現象】として面白がっているのは私だけでしょうか。

コメント
無題
こんばんは、先日の「美の壺」拝見しました。相変わらずお美しいです。
地元ネタありがたいです。
私は明治の迅速測図などの古地図を参考に、昔の道を歩くのも趣味で、
この若宮八幡神社の横から伸びた県道五井本納(茂原)線の跡を見に行ったことが
あります。今度は此処の富士塚を見に行きたいと思います。
さて、下の記事で話題になった八幡町の鳥瞰図のコピーのコピーをスキャンしてみました。
ほとんど文字がわかりませんが、ご覧下さい。
【2010/01/27 22:55】 NAME[あずま] WEBLINK[] EDIT[]
拝見しました♪
あずまさん

八幡町の鳥瞰図面白いですね〜!!!
飯香岡八幡宮の左、小さいけれど富士塚のようなものも描かれてますね。
魚虎という店は今でも同じ場所にあるようですし、町並みを見るのは楽しいですね。

古地図を元に歩かれているんですか。いいですね!
市原は何度訪れても楽しいところです。またいろいろ教えてください。
【2010/01/28 03:51】 NAME[芙蓉庵] WEBLINK[] EDIT[]


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から頂上まで登れるようにな
っています。意外なところに
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▼▼▼【芙蓉庵】とは▼▼▼
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美しい作品も好きだけど、コ
ンセプトありきで表現するこ
とに喜びを感じるビジュツ家。
表現形態はこだわりません。
現在、富士塚のコンセプトに
インスパイアされ、色々な媒
体で表現。著書の【ご近所富
士山の謎】【富士塚ゆる散歩】
も、私にとっては作品です。
なぜ富士塚か……それは、海
外生活での体験から。詳しく
は本のあとがきに記してあり
ます。

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