▲「富士塚」だけで日記が書けます♪▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
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去年、三井記念美術館で催されていた「旅」展で「熊野那智参詣曼荼羅」を見ました。細部に感動しっぱなしでした。不動明王を表現したとされるコレのほかに、忘れられない部分がありました。



船に鳥居があるのは、富士吉田の火祭りで担がれる「お山さん」と呼ばれる神輿を思い起こさせましたが、十字架のような形も見え、帆には南無阿弥陀仏と書いてある、コレは何だ!?



那智地方には、熊野灘の彼方に観音菩薩が住む浄土・補陀洛(ふだらく)があるという信仰がありました。それを目指して船を出すことを「補陀洛渡海」と言います。そのために作られた「補陀洛渡海船」の上は屋形があり、人ひとり入れる小ささです。屋形の前後左右には4つの鳥居が囲んでいますが、修験道の葬送作法では、死者は「発心門」「修行門」「菩薩門」「涅槃門」の四門をくぐって浄土に往生すると考えられているからです。

案内してくれたタクシードライバーの方に、思わず「水に浮かぶ棺桶ですね」と言うと、「うん。そうだよね」

僧がこれに乗り込み、外から釘を打って出られないようにしたそうです。ひと月分の食料を持たされて。供船で沖に向かって曳航され、そして、沖の綱切島に近づくと、供船でお経を唱えていた僧が曳き綱を切る……入水往生を目指す究極の行です。平安時代から江戸時代まで25人が流されましたが、中には船出の後脱出した僧もいて(その先はこわくて書けません〜)。。。



「裏にお墓があるけど見に行ってみるかい?」「いえ、とてもとても」「ハハハ」

ちなみに「補陀洛」とはサンスクリット語の「ポタラカ」の音訳で、南方の彼方にある観音菩薩の住まう浄土のことをいい、『華厳経』にはインドの南端にあると説かれているそうです。観音信仰の流布とともに、チベットや中国にも補陀落は想定されました。チベットではラサ北西に建つ、観音の化身ダライラマの宮殿をポタラ(補陀洛)宮と呼び、中国では舟山諸島の2つの島を補陀落としました。日本においては南の海の果てに補陀洛浄土はあるとされたのでした。

私が顔面蒼白だったのか(笑)、特別な想いを持っていると感じたドライバーは、こちらの住職にそれを伝え、個人では拝観できない「本尊 三貌十一面千手千眼観世音菩薩」を見せていただくことができました。



観音像は素晴らしい木彫でした。両耳のところに、怒りの表情の顔が貼りついていました。ご住職の説明を受けているうちに有り難く穏やかな気持ちになりました。後世の者が参拝することも、入水した僧たち(同行者を含めると100人)が無事観音浄土に辿り着き、観世様に救われることにつながるかもしれませんね。


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表現形態はこだわりません。
現在、富士塚のコンセプトに
インスパイアされ、色々な媒
体で表現。著書の【ご近所富
士山の謎】【富士塚ゆる散歩】
も、私にとっては作品です。
なぜ富士塚か……それは、海
外生活での体験から。詳しく
は本のあとがきに記してあり
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