▲「富士塚」だけで日記が書けます♪▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
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ミニマルなオブジェでリラックスも必要です。 風通しがいいっていうか。

THIN WHITE LINED FUJIS

先にも書きました。
ただの盛り土は富士山にならない。それじゃあただの遊び場です♪
まあ、「これは富士山」と言ってしまえばそれでもいいのですが、
先人たちが造った数ある富士塚が魅力的に見えるのは、いくつかの
想いのこもったカタチ。石碑とか祠とか気になるでしょ?
逆に言えば、ルールをふまえて造れば想いがそこに宿るわけで。
それを私は「富士塚マジック」とよび、面白がっています。

4つのルールとは……

1 頂上に石祠  

2 中腹(五合目)、向かって右に小御嶽  

3 中腹(七合目五勺)、向かって左に烏帽子岩  

4 山裾、向かって右に胎内



(画像は私の新作「富士塚キット」のマニュアル部分ですー)

「金明水」とか「烏帽子岩」とか出てきましたが、これらは実際富士山にありまして、登山すると見ることができます。「金明水」は富士講とは関係ないですが、「烏帽子岩」が大事なんです。

「烏帽子岩」と言うと、つい湘南沖のあれを思いうかべますが、富士山の「烏帽子岩」ももちろん烏帽子のカタチをしています。富士講にかかせないこの岩について書いてみます。

江戸時代、何代目かの講祖に、食行身禄(じきぎょうみろく)という人がいました。
身禄は、富士山の七合目五勺にある烏帽子岩のところで修行し、入定(にゅうじょう)しました。命をかけて修行したわけですから当時は大センセーションでした。富士講がその直後に爆発的に流行したのはこれがきっかけですね。

で、江戸では身禄の直弟子だった造園師の藤四郎が、身禄の追悼のために富士塚を築造したわけです。きっかけは身禄の手紙の中の「ふじの御山のうつしを……」というくだりに着目したのですがね。今の早稲田大学の構内に初めての富士塚が出来ました。

ただ土を盛って富士山とするのは意味がない。身禄の講祖としてのあかしと山の神格化をはかるため、「富士山の烏帽子岩=食行身禄を祀る霊場」というシンボルがのちの富士塚作りの基礎となったようです。

私のつくるオブジェにも、最初の頃は、せっせと三角の石とくっつけておりました。
採取するところは、内房のビーチ。いいカタチがたくさんあるのです♪

「胸付き八丁」を登るとようやく頂上に這い上がる。。。がんばれあたし!!!!!

失礼しました。。。。自分が富士登山をした時をつい思い出してしまいました。

最初の頃は、溶岩を使って、より富士塚に似たものをつくることに熱中していました。溶岩の接着も容易ではありませんでした。ええっと、これは奥宮の背後に「金明水」をあしらいました。左奥に見える石は、七合目五勺の「烏帽子岩」をあらわしています。

全体の大きさは……直径約40cmです。
現在このテはつくっていません。もっとモダンでデフォルメしています。
富士山、いや富士塚は、ある理論に基づいていればどんな姿も自在です。

つづく。

富士塚作品第一号は……溶岩まみれのヘヴィなものでした。
あ、3基連続、溶岩貼りつけ型を制作しました!
ホンモノの溶岩ですよ〜。山からいただいた。
ただし、富士山の八合目から上は「浅間神社」の敷地なので
そちらからいただいてはおりません。
それはいけません。神様に叱られます。

では何かというと?……秘策については追々に(笑)。

プロフィールにもありますように、富士塚オブジェをつくっております。
昔は絵を描いていました(専攻は油絵)が、型にはまったものはとんと興味がありません。必要ならば表現はなんでもいいの。(パフォーマンスがまた必要になったらやるしダンスやサウンドも同じ)

現在はもちろん、富士塚が好きだから富士塚オブジェを作る。でもこれはたぶんライフワークになる気がします。ずっとやるでしょう。私はあまり理屈はこねないほうですけれど、ひとつ自分で納得してる経緯があるので、ちょっと告白します。

なんで「富士塚オブジェ」なのー?について。

昔のことから書くっきゃないけど、長文ニガテな人はスキップしてください。でもできれば読んでほしい(笑)。以前、カリフォルニアに住んでいた頃、日系移民の友人達のために「鳥居」を作った時のことです。

ある時、新年を迎えたばかりの日本人のパーティーに出かけました。持ち寄った日本酒や寿司を味わい、皆で紅白歌合戦のビデオを観、にぎやかな宴を楽しんでおりました。すると、誰かがつぶやいた!「何かが足りないな〜」

皆はわかっていました。「初詣」ができなかったのです。でもさすがにこれはしかたない。まわりに神社仏閣などないですから。それでも、日本人として何か形だけでも神聖なことをしなければ、新年の「めでたさ」を味わえない気持ちになっていました。

翌日。私が作ったミニミニ鳥居の前でパーティーを再開し、私達はささやかな「初詣」を敢行しました。鳥居は、チャインタウンで買った竹箸を、朱色にペイントし、組み立てた簡単なものでしたが、仮の鳥居であっても皆はとても満足してくれました。

そして後日、鳥居を新たに作り直し、箱の中に鳥居と盃とマニュアルをセットに詰めた「初詣キット」を制作しました。〈いつでも開けばその気持ち♪ どこにいても想いは同じ♪〉と、「想い(祈り)の具現化キット」のシリーズとしました。バーチャルな行為であっても、心をこめることには喜びがあります。キットはその手助けにすぎませんが、形ある物の効果をその時強く感じました。  

その後、そのシリーズのひとつにどうしても加えたいモチーフができました。富士山です。でも、そのままの富士山でなく、先人達が作った人造富士山、富士塚です。それは江戸時代に民衆の間で熱く広まった「富士講」の最高の産物です。日本に帰れない日本人と同様に、当時富士登山できない庶民はたくさんいました。そして町内に出現したこの富士山のおかげで、それまで入山を禁じられていた女人や、体力のない年寄り子供の、バーチャル登山を可能にしたのです。

その精神は、私がかつて抱いた気持ちと同質のものだったのだ、と嬉しくなりました。

富士塚はまだ関東各地にたくさん残っています。が、講の解散をきっかけにほとんど忘れられ、取り壊しや登山禁止等の寂しい現状も多いです。そこで私は、富士塚という富士山のミニチュアの、そのまたミニを「卓上富士塚」としてつくりました。モダンな縁起モノとして、楽しめる作品をつくりたいと思いました。
(画像は鳥居ではありません。これも富士山▲の一部)

下の百富士の図↓を見ていたら、わたくし作成の↑「「ふじづかぶんぷず」に
そっくりではないか〜と気づいたわけです。(わざとボカしましたごめんなさい。)

このぶんぷずは、ほぼ東京23区を網羅。上は大泉富士から下は浦安の富士。です。
だいたい50基はありますね〜♪

全国に富士山はたくさんありますね。「○○富士」と名づけている山たち。
やはり地方でも富士山の「縁起のよさ」にあやかっているのだと思います。

日本だけでもざっとこんなに。
北海道の「知床富士」から沖縄の「塩屋富士」まで100山ある!
たぶんもっとあるでしょう。

海外にももちろんあります。日系の移住者のいる土地にはね。
私がよく覚えているのはシアトルの「タコマ富士」と呼ばれるレニエ山。
(カタチはあんまり似てないけど、ココロですよ。homeを想うココロ!)

日系人は日本にいる日本人よりココロの中の富士山を愛で、憧れや誇りを
持っているような気がします。それが無意識であってもね。
(富士山見たことない人でもですよ)
私が富士塚を愛しているのは、たぶんこの感覚に近いのだと気づきました。
後で【エピソード】をひとつ書きます。。。

全国に富士山がたくさんあるのは、富士塚と似た感覚だと思っております。
信仰ではありません。でも遥拝なんです。

神社の名前を忘れてました。千葉県浦安市にある清瀧(せいりゅう)神社。
石像のことは残念ですが、このあたり元町地区(ディズニーリゾートのある
新町地区に対してそう言います)には保存のよい富士塚がいくつかあります。

清瀧富士の【堀江富士】、引いたらこんな感じです。

じ・つ・は………………………………………

数年前は下のようなかわいいお顔だったのに、
去年ふと見たら……なんかのっぺり???
え? 
顔が……け、削られているではないですか!!!

どうしたらこんな事故がおきるのでしょう。
あまりのショックに私はがっくり肩を落としました。
だって、この石像のどちらかが、私の知っている人の
おじいさまがモデルなのです!!!
せっかく撮った写真をあげようと思っていたのに。。。
そのうち、神社にわけを聞いてみたいと思います。

石碑に刻まれた「大先達」の文字に、おじいさまの
名前を確認して帰りました。


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富士山に登りたくても登れな
い人たちの為に、江戸時代に
関東各地に造られた「人造富
士山」のこと▲です。富士山
を信仰する▲▲▲富士講によ
るもので▲▲▲▲▲したが、
地元に▲▲▲▲▲▲▲ミニチ
ュア▲▲▲▲▲▲▲▲▲の富
士山が出来たことで、多くの
人が登山でき、大流行しまし
た。民衆のパワーですね♪♪
富士山の溶岩をのせ、一合目
から頂上まで登れるようにな
っています。意外なところに
ひっそりたたずんでますよ。
…………………………………

▼▼▼【芙蓉庵】とは▼▼▼
…………………………………
美しい作品も好きだけど、コ
ンセプトありきで表現するこ
とに喜びを感じるビジュツ家。
表現形態はこだわりません。
現在、富士塚のコンセプトに
インスパイアされ、色々な媒
体で表現。著書の【ご近所富
士山の謎】【富士塚ゆる散歩】
も、私にとっては作品です。
なぜ富士塚か……それは、海
外生活での体験から。詳しく
は本のあとがきに記してあり
ます。

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