▲「富士塚」だけで日記が書けます♪▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
つづきというかオマケですが。

小右衛門富士に別れを告げ、稲荷神社を後にします。



なんとなく離れがたいのはナゼ?
L字に曲った参道を歩いて外に出る時、「稲荷神社」と彫られた石柱の土台が気になりました。



見ると、土台は一個の大きな石でできているのに、なぜか小さな溶岩が一か所だけ添えられています。



角度を変えて見ても、やはり一か所だけにありました。反対側に置かれた石のたもとにも一か所だけ、小さな溶岩がありました。デザイン的な目的でもなさそう。

どんな意図があるのでしょうね。

富士塚を小さくした時に余った溶岩が、近辺に置かれるのはよくあることです。田端富士や深川八幡富士などがそうですね。でも、富士塚からこんなに離れた場所に、それもほんの少しだけ溶岩があしらわれているのは初めて見ました。何か、溶岩のパワーを考えてのことかしら?



実は最近、溶岩(富士山のではないけど関連がなくもない)を治療に使っています。いや、病気や怪我ではないので、治療というのは正確ではありませんが、ちょっと疲れがたまっていたので、その溶岩を数分間、背中(ヘソの裏)にあてています。気功の先生のアドバイスで、一塊いただいて試していますが、効いている気がします。これは地の気の効果でしょうか?

溶岩おそるべし。
富士塚でいろいろ見ていると、よく近所の子供たちがやって来る。下校途中で「ちょっと秘密基地に寄って行こうぜ」というスタンス。(実際品川富士では『秘密基地』を見せてもらったことも♪)

そんな彼らとは、同じ目線ですぐなじんでしまう。私が楽しそうにいるからでしょうか(笑)。



しばしば子供たちは、訪問者に対して誇らしげになります。



「こっちに行くとさ〜、池があって」
「知ってる知ってる。亀がいるよね」
「えっ!?亀がいたの?どこどこ???」



「う〜ん。さっき石の上でひなたぼっこしてて」
「オタマジャクシしかいない〜。大きい亀だった?」
「このくらい大きかったね。ミドリガメの大きいやつ」
「えー。見たい見たい!取っちゃだめかな」
「この池が亀のお家だからやめとこうね」
「あ。足の出てるオタマジャクシがいる」
「ほんとだ!後ろ足がちょっと出てるね」
「何のカエルになるのかな。亀、取っちゃだめ?」
「カエルの種類はわかんないや。亀はもういないよ」
「えー」
「さっきドボンて水の中に飛び込んだから」

そんな風に楽しいひととき。ではそろそろインタヴューといきますか。



「この石、『溶岩』て知ってる?」



「ヨ・ウ・ガ・ン。。。うん!」
「富士山から持って来たんだね。そういえばここも富士山なんだよね?」
「そう。でも、夜に石を踏むと鬼が出るんだって!」

(なるほど。こういうやりとりにはぐっときます♪)

(大人から言われたことを守っているのが微笑ましい。彼らは夜でなくても塚には登らないとみた。塚には子供が入った形跡もなかったし。でも鬼のハナシ、もっと突っ込めばよかったな。実は、たわいない話の中に大きな情報がかくされていたりするのです。地元の住民が富士塚とどう関わってきたのかわかるもの)

「そっか。夜は来ないほうがいいね。溶岩はあっちにもあるよ」

3人は、小右衛門稲荷神社の社殿を横切り、手水舎に向かいました。





子供の好奇心はどんどん変わる。

「これ犬?何を踏んづけてるの?」
「犬に見えるね〜。でもこれは狐だよ。踏んでいるのは……」



宝珠をどう説明しようかと考えているすきに、子供たちは傍にたくさん掲げられている絵馬に気をとられ、その中の知った奉納者の名を見つけて盛り上がる。

再び移動。



手水鉢は、透明なアクリル板の蓋つき。前面はヤツデの葉っぱで覆われていますが、



裏にまわると、溶岩の塊が。時々こうして水道管を溶岩で覆ってあるものに遭遇します。

「あ、これも溶岩!中に何かあるよ」

少し離れた位置にある水道の元栓が隠れていました。



そして、記念碑の土台にも!

まだつづく。
霊性だの気配だの書いてみても、それは感覚的なものでしかありません。目で見てわかる、この富士塚の魅力をいくつか。石碑に関して。



さすが足立区。丸藤講ファミリーは結束が固い。千住とも島根とも行き来があります。これは十三夜講の碑。



経ヵ嶽はよくありますが、



小富士の碑があるのは初めて見たかも。珍しいですよ。



このテの登山記念碑は、それはたくさんありました。



池から道を隔てて北側には三柱神の碑。

ほかにもいろいろあります。きりがないほどです。塚のまわりにも多数点在していることから、かつて塚が大きかったことがわかります。

数ある石碑の中で、ここの目玉はやはり最初にアップした「人穴 角行尊師」でしょうか。

あと、開山記念がメデタイ。富士塚の開山ということですね。



今まで気にしたことなかったけれど、「開」という文字は、中央に鳥居があるのですね!


つづく。。。
確かに、小右衛門富士は平坦です。
神社境内のこの一角が、ゆるやかな勾配を形成しているとはいえ、塚の高さは1mとない。



でも、ここを訪れる人が口を揃えて「低い」「低い」ともらすのに対して、私はあえて「それは一側面です」と言いましょう。

私には、富士塚はただの歴史的遺物ではなく、そこをとりまく空間や、塚に共存する動植物そして土地の霊性プラス人の信仰心、それらすべてを取り込んで形成しているものだと思えてなりません。

この小右衛門富士の場合、



塚のほぼ中央にそびえ立つ、大木が重要だと感じます。この木(杉でしょうか?)がいつからここにあるかは知りませんが、今も天に向かってのびる木は、昔の塚のカタチを記憶し、そのボリュームを再現しようと存在しているかのようです。

塚の構成は全く変わってしまっても、木々やそれに寄り添う石碑群が、かつての塚の気配を発している。それは、「なあんだ、こんなにぺったんこか」と、形だけで即結論づけてはもう感じない。しばらくそこに滞在してこそ伝わってくる、その感覚を味わうのも富士塚の面白さのひとつです。

さて、走り書きのメモから。



富士塚(グリーン)の隣には、立派な池(ブルー)があります。



池の主の亀。と、無数のオタマジャクシ♪



池越しに富士塚をながめたところ。



池のふちには講碑がいくつもあります。

でもこの池は、富士塚にたびたび隣接している富士五湖や富士八海の表現としての池ではないようで、やはり庭園風に造られたためでしょう。

つづく。。。
頂上の三角の石は、何となく裏っぽく見えたので、



ぐるりとまわりこんでみました。やはりこちらが表では?と思いつつ、拝みました。

しかしこのカタチ。どう見ても富士山です。

他の富士塚でも、富士山のカタチの石を見ることはありますが、頂上にこれがあるのはここだけかな?

実は、富士山型の自然石をご神体として祀る富士塚は(古いものばかりだけど)いくつかあったそうです。文献によると、千駄ヶ谷富士、本郷富士、浅草富士には、富士山型の自然石を社宝として祀っていたとのこと。

平安時代の富士修験の祖、「末代上人」が修行ののち、光の射す場所を掘ったら「富士山の形をした水晶が出てきた」という記述があり、それがルーツとなって富士山型の自然石をご神体とすることがあったのでは、と解く学者がいます。

そうかもしれないし、そうでないかもしれないですが、ロマンがあっていいですね。

ただ、この「小右衛門富士」は昭和7年の築造。かなりの新顔です。

新しめの富士塚の特徴に、急峻に作る傾向がありましたが、



これもかつては↑こんなに高い!そして頂上には祠がありました。
なんと【三等三角点】までついていたということですよ!



今はこんなに平坦で、一見するとただの庭園。
でも、ホントはとってもいい塚なんです♪

つづく。。。
とにかく、登山してみましょう。



この富士塚には、立派なボク石がふんだんに使われています。

一合目の合目石の足元にも。



二合目



三合目、四合目



五合目、六合目、七合目、八合目、九合目

全部あります。



そして、頂上。あれれ?

つづく。。。
丸く光が入るのです。



「人穴」という文字に。

逆光だから、だとは思うんですけどね。。。

足立区梅島(旧・小右衛門町)にある「小右衛門富士」の角行尊師の石碑です。

つづく。


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士山が出来たことで、多くの
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富士山の溶岩をのせ、一合目
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っています。意外なところに
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…………………………………

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美しい作品も好きだけど、コ
ンセプトありきで表現するこ
とに喜びを感じるビジュツ家。
表現形態はこだわりません。
現在、富士塚のコンセプトに
インスパイアされ、色々な媒
体で表現。著書の【ご近所富
士山の謎】【富士塚ゆる散歩】
も、私にとっては作品です。
なぜ富士塚か……それは、海
外生活での体験から。詳しく
は本のあとがきに記してあり
ます。

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