▲「富士塚」だけで日記が書けます♪▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
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富士塚に火を入れることはできないけれど、地中のマグマは意識していたい。

富士吉田の火祭りに行ってみると、やはり地元では火山だという畏怖をもって
富士山を仰いできたのだなあと思いますね。火祭りでの松明は凄まじいです。

そのイメージがとても強かったので、どうしても一度、火山バージョンの
作品をつりたかったのです。これは点滅式の電飾。まわりは和紙。行灯として
使ってます。なんてね。


木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)が見えますか?

ここは頂上です。富士塚の。。。

火口はスケルトンでなければならない(笑)。

かかるgを1/6にしましょう。でも落石注意ね!

裾野の広さなんか無視した「線富士」。。。THIN WHITE LINES

頭上の赤い石こそ溶岩です。これで富士山に生まれ変わった!?

ミニマルなオブジェでリラックスも必要です。 風通しがいいっていうか。

THIN WHITE LINED FUJIS

「金明水」とか「烏帽子岩」とか出てきましたが、これらは実際富士山にありまして、登山すると見ることができます。「金明水」は富士講とは関係ないですが、「烏帽子岩」が大事なんです。

「烏帽子岩」と言うと、つい湘南沖のあれを思いうかべますが、富士山の「烏帽子岩」ももちろん烏帽子のカタチをしています。富士講にかかせないこの岩について書いてみます。

江戸時代、何代目かの講祖に、食行身禄(じきぎょうみろく)という人がいました。
身禄は、富士山の七合目五勺にある烏帽子岩のところで修行し、入定(にゅうじょう)しました。命をかけて修行したわけですから当時は大センセーションでした。富士講がその直後に爆発的に流行したのはこれがきっかけですね。

で、江戸では身禄の直弟子だった造園師の藤四郎が、身禄の追悼のために富士塚を築造したわけです。きっかけは身禄の手紙の中の「ふじの御山のうつしを……」というくだりに着目したのですがね。今の早稲田大学の構内に初めての富士塚が出来ました。

ただ土を盛って富士山とするのは意味がない。身禄の講祖としてのあかしと山の神格化をはかるため、「富士山の烏帽子岩=食行身禄を祀る霊場」というシンボルがのちの富士塚作りの基礎となったようです。

私のつくるオブジェにも、最初の頃は、せっせと三角の石とくっつけておりました。
採取するところは、内房のビーチ。いいカタチがたくさんあるのです♪

「胸付き八丁」を登るとようやく頂上に這い上がる。。。がんばれあたし!!!!!

失礼しました。。。。自分が富士登山をした時をつい思い出してしまいました。

最初の頃は、溶岩を使って、より富士塚に似たものをつくることに熱中していました。溶岩の接着も容易ではありませんでした。ええっと、これは奥宮の背後に「金明水」をあしらいました。左奥に見える石は、七合目五勺の「烏帽子岩」をあらわしています。

全体の大きさは……直径約40cmです。
現在このテはつくっていません。もっとモダンでデフォルメしています。
富士山、いや富士塚は、ある理論に基づいていればどんな姿も自在です。

つづく。

富士塚作品第一号は……溶岩まみれのヘヴィなものでした。
あ、3基連続、溶岩貼りつけ型を制作しました!
ホンモノの溶岩ですよ〜。山からいただいた。
ただし、富士山の八合目から上は「浅間神社」の敷地なので
そちらからいただいてはおりません。
それはいけません。神様に叱られます。

では何かというと?……秘策については追々に(笑)。

プロフィールにもありますように、富士塚オブジェをつくっております。
昔は絵を描いていました(専攻は油絵)が、型にはまったものはとんと興味がありません。必要ならば表現はなんでもいいの。(パフォーマンスがまた必要になったらやるしダンスやサウンドも同じ)

現在はもちろん、富士塚が好きだから富士塚オブジェを作る。でもこれはたぶんライフワークになる気がします。ずっとやるでしょう。私はあまり理屈はこねないほうですけれど、ひとつ自分で納得してる経緯があるので、ちょっと告白します。

なんで「富士塚オブジェ」なのー?について。

昔のことから書くっきゃないけど、長文ニガテな人はスキップしてください。でもできれば読んでほしい(笑)。以前、カリフォルニアに住んでいた頃、日系移民の友人達のために「鳥居」を作った時のことです。

ある時、新年を迎えたばかりの日本人のパーティーに出かけました。持ち寄った日本酒や寿司を味わい、皆で紅白歌合戦のビデオを観、にぎやかな宴を楽しんでおりました。すると、誰かがつぶやいた!「何かが足りないな〜」

皆はわかっていました。「初詣」ができなかったのです。でもさすがにこれはしかたない。まわりに神社仏閣などないですから。それでも、日本人として何か形だけでも神聖なことをしなければ、新年の「めでたさ」を味わえない気持ちになっていました。

翌日。私が作ったミニミニ鳥居の前でパーティーを再開し、私達はささやかな「初詣」を敢行しました。鳥居は、チャインタウンで買った竹箸を、朱色にペイントし、組み立てた簡単なものでしたが、仮の鳥居であっても皆はとても満足してくれました。

そして後日、鳥居を新たに作り直し、箱の中に鳥居と盃とマニュアルをセットに詰めた「初詣キット」を制作しました。〈いつでも開けばその気持ち♪ どこにいても想いは同じ♪〉と、「想い(祈り)の具現化キット」のシリーズとしました。バーチャルな行為であっても、心をこめることには喜びがあります。キットはその手助けにすぎませんが、形ある物の効果をその時強く感じました。  

その後、そのシリーズのひとつにどうしても加えたいモチーフができました。富士山です。でも、そのままの富士山でなく、先人達が作った人造富士山、富士塚です。それは江戸時代に民衆の間で熱く広まった「富士講」の最高の産物です。日本に帰れない日本人と同様に、当時富士登山できない庶民はたくさんいました。そして町内に出現したこの富士山のおかげで、それまで入山を禁じられていた女人や、体力のない年寄り子供の、バーチャル登山を可能にしたのです。

その精神は、私がかつて抱いた気持ちと同質のものだったのだ、と嬉しくなりました。

富士塚はまだ関東各地にたくさん残っています。が、講の解散をきっかけにほとんど忘れられ、取り壊しや登山禁止等の寂しい現状も多いです。そこで私は、富士塚という富士山のミニチュアの、そのまたミニを「卓上富士塚」としてつくりました。モダンな縁起モノとして、楽しめる作品をつくりたいと思いました。
(画像は鳥居ではありません。これも富士山▲の一部)

「富士山に登ると穢れる」と言われた女性でしょ。

そうです。江戸時代は、女の人は登ってはいけなかったのです。
今は中高年の女性が大挙して登山してますが、当時の女性たちがそれを知ったらうらやましがるでしょうね。
それでも、富士講の信者に女性もいたのですからお参りはしたかったのです。実際、女性は二合目までなら登山できました。っていってもほとんどふもとですから達成感などなかったでしょう。
あ、でも「富士山は征服するなんていう気持ちで登るものではない。お参りする有り難い山なのだ」という先達の教えですから、たとえ二合目までであっても嬉しかったに違いない。

この絵はわたくしによる、当時の様子の再現です。記録に残っていたものを参考にして。
立体(表面は和紙)に描いてあります♪


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芙蓉庵 (Yoko Arisaka)
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富士山に登りたくても登れな
い人たちの為に、江戸時代に
関東各地に造られた「人造富
士山」のこと▲です。富士山
を信仰する▲▲▲富士講によ
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地元に▲▲▲▲▲▲▲ミニチ
ュア▲▲▲▲▲▲▲▲▲の富
士山が出来たことで、多くの
人が登山でき、大流行しまし
た。民衆のパワーですね♪♪
富士山の溶岩をのせ、一合目
から頂上まで登れるようにな
っています。意外なところに
ひっそりたたずんでますよ。
…………………………………

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美しい作品も好きだけど、コ
ンセプトありきで表現するこ
とに喜びを感じるビジュツ家。
表現形態はこだわりません。
現在、富士塚のコンセプトに
インスパイアされ、色々な媒
体で表現。著書の【ご近所富
士山の謎】【富士塚ゆる散歩】
も、私にとっては作品です。
なぜ富士塚か……それは、海
外生活での体験から。詳しく
は本のあとがきに記してあり
ます。

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