▲「富士塚」だけで日記が書けます♪▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
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ご存知、中沢新一氏の著書「アースダイバー」にも、さらりと富士塚にふれる箇所があります。でも、信仰の遺物として富士塚が好きな方たちには、あまり参考にならないかも知れません。

私は、富士塚には信仰の対象以外のミッション(?)めいたものも密かに感じているので、というと大袈裟ですが(笑)、富士塚築造は、土地の気配(気とも言える?)と関係あるような気がしてならないです。たとえ、移築を繰り返されたとはいえ。

例外もありますが、富士塚は、神社寺社の中に造られることが多かったですから、霊性の強い場所に存在することは当然です。スピリチュアルな観点からしても、パワーの強い場所、パワーの通る場所(レイラインとか)に多く存在することもあるでしょうし、風水説もありますね。荒俣先生もかつて、「富士塚が江戸を守る為に造られたって考えると楽しいですね〜♪」と言ってましたし。

史実も大事ですが、いろいろな方面から考えるのもロマンがあって楽しいものです。

では、「アースダイバー」から。
地質学の研究によると、縄文海進期と呼ばれる時代の、東京の地形が詳しくわかります。ふたつの異なる地層があり、それらは「洪積層(こうせきそう)」という堅い地層と、「沖積層(ちゅうせきそう)」という砂地の多い地層です。洪積層は堅牢な土のため、縄文時代に海水が奥まで入り込んでいた時も陸地だったところ。一方、沖積層は海だったところ。

縄文時代の地形を見ると、東京はとても複雑に入り組んだ海岸線を形成していたことがわかります。そして、神社やお寺は、当時も陸地でありさらに海に突き出た岬だったところに建てられているのです。そこはかつて、縄文人が墓地を造ったり、聖地として崇めたところ。これはとても面白いことです。

地形が変わり、かつてどこが陸でどこが海かわからなくなってもまた、同じ場所に聖地が設けられ、そして現在も残る神社寺社の位置は変わらない。つまり、縄文人が聖地と定めた場所に、後世の人が霊的に影響を受けていることなのです。

知らず知らずに、人は土地から立ちのぼる霊性によって左右され、営みを繰り返している。(立ちのぼる霊性……これは私も琉球の聖地で体感したことです)

本は、スピリチュアルに偏らず、大変バランスよく書かれています。ある街の繁栄が、実はその地形の(霊的)特性からきていた、というのも無理なく理解できます。

そして、アースダイバー読後、私が気になったのは「江戸情報地図」。縄文地図まで溯らなくても、昔の地図を見てみたくなったのです。それも現在と重ね合わせたやつ。この類いの出版物はいくつか出ていますが、大判のものを借りて来ました。江戸時代の地図は安政の頃。下にうっすら見えるのは平成8年の情報。



これは目黒川(水色で表記)に沿った地域です。右下の赤い丸ふたつは。。。



目黒元富士と目黒新富士。



目黒元富士が氷川神社に移転するのは、明治11年のことですから、この頃はまだない。一応現在の富士塚の場所に、赤い丸を塗っておきました。

富士塚の中でもあまり霊性に左右されなかったであろう(庭園の美を追求した)近藤富士(新富士)などは、もちろん、坂の斜面を利用するという、地形的理由が大きかったと思いますが。。。
とにかく、他の富士塚もこんなふうに、記載されておりまする。

そうそう!思い出しました。十条の富士講の方たちの「縄文的コトバ」!
(私の本のp123を御覧ください♪)

コメント
縄文マップ
こんにちは。私も神社散策の際アースダイバー付属の「縄文マップ」をコピーして持ち歩いてます。
東京の神社は大概、洪積層と沖積層の境にありますよね。散歩してて少し変だなと感じるのも境目なんです。
古代人からの魂の叫びが連綿と続く場所というののがあって、今の我々も土地からの霊性に左右されるというのは、ほんとその通りですね。

縄文時代に北区の東側が海だったのは下記のサイトでよく分かります。
http://www.asahi-net.or.jp/~vm3s-kwkm/edo/index.html
【2009/06/25 16:47】 NAME[ヒメ爺] WEBLINK[URL] EDIT[]
さすがヒメ爺さん♪
縄文マップ、持ち歩いてらっしゃるなんてすごいです!
散歩をしていて変な感じを受けますか!?地層の境目おそるべしですね。

土地そのものからのメッセージも、散歩の楽しみになりますよね。

しかしそのサイト、面白いです〜!!!
【2009/06/26 11:07】 NAME[芙蓉庵] WEBLINK[] EDIT[]
山開き
地形を利用した富士塚、移転を重ねた富士塚色々ありますが、山開きが待ちどうしいです
【2009/06/26 20:44】 NAME[tontonkatsune] WEBLINK[] EDIT[]
からだがいくつあっても足りないですよね
tontonkatsune様

お山開きは、一斉に各地の富士塚でやりますから、
ホントに忙しいですね!
この日にしか開放されない塚もあるし、祭りで盛り上がる
ところもはずせない。
厳粛な儀式も見学したいし、富士講の方たちについてまわる
7富士めぐりもしてみたい。。。

もちろん、富士山でのお山開きだって参加したいですね。
tontonkatsuneさんはどちらをまわる予定でしょうか?
【2009/06/26 21:57】 NAME[芙蓉庵] WEBLINK[] EDIT[]
無題
十条富士塚と140年程の歴史を持つ小学校との間の都道が拡幅される計画がある。普通に拡幅されると塚だけになるとか塚も削られるとか言われている。富士講の幹部の人たちには説明や話し合いがあったという噂だが十条の住民に周知するようなことはなされていない。(都道拡幅に関する協議会の中では多少話題にのぼったらしいが。)
【2009/06/27 19:15】 NAME[NONAME] WEBLINK[] EDIT[]
そうなんですよね!!
コメントありがとうございます。

私もその件は、富士講の方たちからお聞きしました。
岩槻街道の幅が拡張される計画があって、このままでは、
何年後かには十条富士の石段半分まで削られるそうですね。
(隣の幼稚園も影響あるとか)

地域の方たちには伝わっていないのですか?
それは知りませんでした。

十条富士からは、2年前の修復の際、貴重なものが見つかり、
その件に関しても、講の方たちと行政との間で折り合いがつかず、
調査の進行が未定だった(昨夏現在)ことを聞きまして、
私もその後どうなったのか憂慮していた次第です。

区の学芸員の方、また地元の研究家の方にも、
文化財保護に熱心な方もいらっしゃるので、どうか
いい方向で富士塚の保存を検討していただければ、と
願ってやみません。
【2009/06/27 21:29】 NAME[芙蓉庵] WEBLINK[] EDIT[]


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富士山に登りたくても登れな
い人たちの為に、江戸時代に
関東各地に造られた「人造富
士山」のこと▲です。富士山
を信仰する▲▲▲富士講によ
るもので▲▲▲▲▲したが、
地元に▲▲▲▲▲▲▲ミニチ
ュア▲▲▲▲▲▲▲▲▲の富
士山が出来たことで、多くの
人が登山でき、大流行しまし
た。民衆のパワーですね♪♪
富士山の溶岩をのせ、一合目
から頂上まで登れるようにな
っています。意外なところに
ひっそりたたずんでますよ。
…………………………………

▼▼▼【芙蓉庵】とは▼▼▼
…………………………………
美しい作品も好きだけど、コ
ンセプトありきで表現するこ
とに喜びを感じるビジュツ家。
表現形態はこだわりません。
現在、富士塚のコンセプトに
インスパイアされ、色々な媒
体で表現。著書の【ご近所富
士山の謎】【富士塚ゆる散歩】
も、私にとっては作品です。
なぜ富士塚か……それは、海
外生活での体験から。詳しく
は本のあとがきに記してあり
ます。

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